東京個別指導学院の馬場信治社長は、1958年生まれで大学在学時に「慶應学生塾」を設立。
1984年、大学卒業後、いったん就職するも、一年後の1985年、「慶應学生塾」を正式に会社法人化し、起業家の道を歩むことになったそうです。
そして2000年店頭公開、2002年東証二部上場、2003年東証一部と急成長を遂げることに。
その軌跡やいかに?
以下、「就職サイトPuff Port」で2004年12月~2005年3月まで掲載されていたコンテンツを一部抜粋して紹介します。
インタビュアーは「就職サイトPuff Port」を運営する(株)パフの代表 釘崎清秀 (通称:釘さん)です。
インタビューの主な内容は、
◆塾を始めたきっかけ
◆大きなパラダイムシフト
◆絶望は選択だ
◆日本の教育を変える
個別指導を始めるきっかけは?
馬場: はい。これが今につながる大きなパラダイムシフトとでも言うべき出来事でした。それは、「子どもたちは、怠け者なんかじゃない。本当は、『学びたがり屋』なんだ」っていうことを学んだことです。
僕はそのことを、公文のある先生を通じて、まざまざと見せ付けられたんです。その先生の授業を見学させてもらったときのことなんですが、鉛筆が床に落ちる音が聞こえるくらいの静寂さの中でやっているんですよ。30人くらいの教室なのに、みんな集中してテキストに向かっている。一切の雑音も聞こえない。
それで僕は、きっとこの先生、女の先生なんですけど、きっと「鬼ババ」のような先生なんだろうと思ったんですね。こんなに生徒が静かなのは、先生が怖いからに違いないって思ったんですね(笑)。でも、3日4日見学するうちに、どうもそうじゃないみたいだって思って先生に聞いてみたんです。どうして子どもたちは、こんなに集中できるんだって。
そうしたらこの先生が大笑いして「馬場さん、それは簡単なことなのよ。子どもたちはラジオのチューニングをするみたいに、自分の学力や能力に合うことをやれば集中するのよ」って......。
これは、僕にとって天動説から地動説になったみたいな、大きな衝撃だったんです。僕は「これだ!」と思って、ほどなく公文を辞めさせてもらって、また自分の塾に戻ったんです。それで、生徒1人ひとりの学力・能力に応じたクラス編成にして、それも、科目別にきめ細かく編成して授業をやるようになったら、もうみるみる子どもたちの成績が上がっていったんです。それが大きな噂と評判を呼んで、生徒たちが次から次へと集まるようになってきた。周りにあった塾が潰れちゃいそうな勢いだったですね。
釘崎: それが、今の「個別指導」につながっているわけですね。
馬場: そうですね。でも、そのときは単なる「能力別編成」というだけで、「個別指導」の形態に移行したのは、もうひとつの理由があるんです。
釘崎: それはなんですか?
馬場: 能力別にしても、伸びる生徒と伸びない生徒が出てくることがあるんです。それは何でだろうって、生徒たちにヒアリングしてわかったことなんですが、要は先生との相性だったんですね。嫌いな先生の科目は伸びないけど、好きな先生の科目は伸びるんですね。
だったら、生徒1人ひとりに合う講師を個別でつけていくのがベストだと思って。それで、手探りで、試行錯誤の末、今のような「個別指導」のスタイルが出来上がっていったんです。
どん底にあるときにつかんだきっかけこそが次の大きなステップになるというまさにその事例ですよね。
そして馬場社長の夢、東京個別指導学院が目指す方向性とは?
釘崎: 今年、東証一部上場を果たされて、それでもまだ、「アクセルべた踏み」の状態ですか?
馬場: いや、実は、これは初めて言うことなんですが......。昔から上場をひとつの目標にしてきたから、今年一部上場して、なんていうんだろう......、ふっと気が抜けることがありました。で、友達の経営者に、僕よりも年下の人なんですけど言われたんですよ。「馬場さん、あなた、何をこんなこと(上場したこと)で満足してるの?」って。もう、その瞬間カチーンってきちゃって。いや、その友達の経営者にじゃなくて、自分自身にですよ。自分自身に腹が立って、これじゃダメだって。
釘崎: そうだったんですね。
馬場: 怖いものですね。でもね、もっと怖いのが、経営者がそうやって安穏とした意識をもってしまうと、それが社員に伝染しちゃうんです。早く気が付いてよかった。
釘崎: そんな馬場さんがこれから目指していかれるものは?
馬場: 「日本の教育を変える」ということです。「あぁ、あそこの塾に通うと、子どもたちがあんなに元気になる。みんな生き生きと夢を語れるようになる」と。だから、もっともっと教室の質を上げて、数も増やしていきたい。
釘崎: そのうち、文部科学省のお偉いさんが頭を下げて「どうしたらいいんでしょうか」って聞きにくるかもしれないですね。
馬場: そう、それはひとつの夢ですね。今は、教員採用試験に受かると、すぐに先生になれちゃうでしょ。それを、しばらくの間はうちで研修所を作って預かるわけ。先生っていうのは、単なる知識を教えるだけの人ではなくて、子どもたちを動機付けして、目標や夢を抱かせてあげることのできる、すごく価値の高い人材なんだけど、そんな人材になるためのトレーニングが今はぜんぜんなされていないじゃないですか。それをうちが引き受けるんですよ。
釘崎: そうすると、だんだん国の公教育も良くなっていきますよね。でも、そうすると東京個別指導学院の最大の強敵になっちゃうんじゃないですか?
馬場: そうですよ。一番いいのは、うちがなくなることなんですよ。それが最終的な目標だと本気で思っているんです。僕たちがやろうとしていることを、学校がやれるようになったら、僕はそれでいいと思っている。そうやって、本当に日本の教育が変革できたら、僕らは今度は、おじいちゃんやおばあちゃんを元気にするような塾を作るんですかね(笑)。
起業家というのは夢追い人ですねえ。
東京個別指導学院にお子さんを預けようかと迷っている方、就職しようかと考えている学生さんには是非読んでほしい東京個別指導学院の社長のインタビューです。
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